中国神話において周の始祖、農耕神后稷の母とされる女神。名前は「女性の元祖」の意で、帝嚳の妻の一人。姜嫄が巨人の足跡に自分の足を重ねてみたところ后稷を妊娠したという。姜嫄は不吉に思って生まれた子を道端に捨てたところ、牛や馬が捨て子を踏まないように避けて通った。そこであらためて林に捨てたところ林の中を通る人が多くなった。次に溝の中の氷に捨てたところ鳥が舞い降り捨て子を翼でくるんで暖めた。姜嫄はここまできて捨てた子が不吉な子などではなく、神秘的な存在であると考え手元において育てることにした。その子────后稷は棄てようと思われていたことから「棄」と名づけられた。