キニチ・アハウ

キニチ・アハウ

Kinich Ahau

マヤにおける太陽神。「アハウ・キン(Ahau Kin)」、「ア・キンチル(Ah Kinchil)」とも呼ばれる。「太陽の顔をもつ者」とされ、月の女神イシュチェルの夫神とされることがある。最高神イツァムナと関連があり、ある意味でイツァムナの別の姿と考えられていた。つまり、キニチ・アハウはイツァムナの昼の面を担い、太陽の生命と(すべての生命を象徴する)日々の軌道を象徴する。日没後の夜にキニチ・アハウはジャガーに変身し、地下世界を旅するとされる。したがってイツァムナが老人(老いた太陽)として描かれるのに対して、キニチ・アハウは若人(若い太陽)として描かれる。古典期(BC300~BC900)、後古典期(BC900~AD1512)のマヤ美術においては、四角い目と大きな鼻で描かれ、数字の4に象徴される。

キニチ・アハウはとりわけマヤの都市国家の歴代統治者によって崇拝され、自分たちをキニチ・アハウの子孫と見なしたり、あるいは自分と同一視したりすることさえあった。キニチ・アハウは権力の源であり、統治権を象徴する神とみなされていた。またキニチ・アハウは都パレンケの守護神であり、世界と神々の創造を表した十字型の神殿の一部はこの神の祭祀に使用された。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-28