賢護菩薩

賢護菩薩けんごぼさつ

Bhadrapāla

仏教において菩薩の一尊で賢劫十六大菩薩の一。サンスクリット名を「バドラパーラ(Bhadrapāla)」といい、バドラは「賢さ」、パーラは「護る者」などの意味を持つことから「賢護菩薩」、「賢守菩薩(けんしゅぼさつ)」、「善守菩薩(ぜんしゅぼさつ)」などと呼ばれる。また音から「跋陀羅波羅(ばっだらはら)」、「跋陀婆羅菩薩(ばっだばらぼさつ)」、「颰陀婆羅菩薩(ばだばらぼさつ)」、「拔陂菩薩(ばはぼさつ)」などの名前でも呼ばれる。更に別名を「カウトゥーハラ(Kautūhala)」といい、これは「疑心」などの意味を持つが、「除疑怪菩薩(じょぎけぼさつ)」、「除疑悔菩薩(じょぎけぼさつ)」などと訳される。衆生の疑惑を除き守護する仏尊とされる。金剛界曼荼羅では賢護菩薩として檀外の西方(上側)の4尊のうち南(左)から二番目に配される。その像容は右手に瓶の載った蓮を持ち、左手を拳にして腰に置くもの。また胎蔵界曼荼羅では除疑怪菩薩として除蓋障院の第四位に配され、身色肉色の菩薩形で右手に独鈷、左手に独鈷が立った瓶を持ち赤蓮華に座す姿で表される。

種字は「ह(ha)」、「स(sa)」、「नं(naṃ)」(胎蔵界)、「प्र(pra)」、「 पृ(pṛ)」(金剛界)、密号は「巧済金剛(ぎょうさいこんごう)」(胎蔵界)、「巧護金剛(ぎょうごこんごう)」、「離垢金剛(りくこんごう)」(金剛界)、三昧耶形は宝瓶上独鈷杵(胎蔵界)、賢瓶(金剛界)、真言は「南麼三曼多勃馱喃(なうまくさまんだぼだなん)微麼底掣諾迦(びまちせいたきゃ)莎訶(そわか)」(T0848)、「南麼三曼多勃馱喃訶娑難(なうまくさまんだぼだなんかさんなん)」(除疑怪真言・T0848)。

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  • This Page Last Updated: 2022-03-22