インティ
Inti
インカ人の祖先として敬われる太陽神であり、インカ帝国の正統性を示す国家神。性格は寛大であり、常に人間達を見守るやさしい存在であるという(ただし日食はインティの怒りとみなされた)。農耕、衣服、家屋を知らず、父なる太陽を崇めることさえ知らなかった人間達を憂い、息子であるマンコ・カパックと娘ママ・オクリョを地上に遣わしてインカ帝国の基礎を築き上げさせたといわれる。つまりインカ帝国は、「太陽の子」によって興された「太陽の国」であるという神話によって自身の正当性を示していた。
創造神ヴィラコチャに匹敵するほど重要視され、インカ帝国の勢力・領土が限界値に達した15世紀後半までには、インティは天候神イリャパやその他の神々とともにヴィラコチャの使者とみなされるようになった。通常、人間の顔に似せて鋳造された───目を大きく見開き、歯を出してにやっと笑っているような───金箔の仮面で表された。その顔の周りを金箔の光線が囲んでいるが、それらの光線は鋸歯状で、先端にミニチュアの人間の顔ないし像がついていた。
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