韋駄天いだてん
Skanda
インドの神である「スカンダ(Skanda)」が仏教の天部(→天)に取り入れられたもの。「私建陀(しけんだ)」、「塞建陀(そくけんだ)」、「揵陀(けんだ)」、「韋駄(いだ)」などと音訳する。また「韋駄将軍(いだしょうぐん)」、「違陀天(いだてん)」、「韋駄天神(いだてんじん)」、「韋将軍(いしょうぐん)」、「陰天(いんてん)」などの名前でも呼ばれる。「韋駄天」という漢字は仏教の伝播過程において、「建」の字を「違」と誤写されたために発生したものと考えられている。
南方の増長天に従属する八将軍の長であり、また四天王ごとの八将軍を合わせた三十二将軍全体の長とされる。僧あるいは寺院(伽藍)の守護神とされる。形像は、身に甲冑を着け、合掌した両腕に宝剣を持つ。釈迦が涅槃の後、捷疾鬼(しょうしつき=夜叉)が仏舎利から歯を盗み去ったとき、この神が追いかけて取り戻したという俗説がある。非常な速さで駆け、魔鬼を排除するとされるところから足の速い人のことを「韋駄天」と言ったりする。
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韋駄天(いだてん)
「増補諸宗 佛像図彙(ぞうほしょしゅう ぶつぞうずい)」(1900)より
ページ:v03p023
土佐秀信著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
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