古代メキシコのユカタン・マヤ族における最高神。語義は「一人(Hun=1)存在する(Ab=存在している状態)神(Ku=神)」、つまり、「唯一の神」の意。イツァムナの父親であり、また四方位の神バカブの父親だとされることもある。創世神話の一つでは、世界を創造し、空を支える為にバカブを世界の四隅に配置した神だとされる。他の神と一線を画しており、その姿は見えないとされるために図像などには表されず、抽象的な概念で示される。従って絵文書などにもフナブ・クーの姿は残されていない。このことからフナブ・クーは他の神とは別に、一神論的な形態をとろうとしていた後古典初期の神だと考えられる。