ペリュトン

ペリュトン

Peryton

南ヨーロッパでアトランティス大陸に住んでいたとされる怪鳥。アレクサンドリア図書館(640年に壊滅)所蔵の本に記述が見られたとされているが、現在残っていない。地中海の島々でも目撃されたという。鳥の胴体と翼、鹿の頭と脚を持つ。大きさは人間大。自分自身の影を持たず、光を受けると人間の形の影ができる。一人の人間を殺し、その血に自分の体を浸すと自分自身の本来の影を取り戻すことが出来るため、人間を殺そうと狙っている。一匹につき一人しか殺さない(殺せない)が、必ず群れをなしているので襲われると大変なことになるという。人間の武器ではペリュトンを殺すことが出来ないとされている。

アレキサンドリアに伝わる伝承では、神に見捨てられ死んでいった魂がペリュトンになるとされている。つまり人をたたり殺さなければ浮かばれない悪霊の一種であると考えられる。ペリュトンは人間を殺すことが出来ると、本来あるべき影を取り戻してどこかへ飛び去っていくという。伝説によれば、古代のローマ将軍スキピオ(B.C.236~184)が配下の軍隊と共にカルタゴに侵攻したときもペリュトンの群れに襲われたとされている。しかしペリュトンはそれぞれ人間を一人しか殺さなかったのでスキピオ軍はそれほど兵力を削がれることはなかった。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-28