盤古

盤古ばんこ

Pangu

中国神話の原初の巨人。「盤固」とも書く。宇宙を構成する根源的な力である陰と陽の子供といわれる。時間が始まった頃、混沌のみが存在していた。混沌は原初の卵の形となり、卵の中で盤古は1万8000年もの間眠り育った。そして目覚めた時、盤古が伸びをすると「陽」が浸透していた卵の軽い部分は上昇して天となり、「陰」で構成されていた卵の重い部分は下に沈み地となった。盤古は天地が再び合わさってしまうことを恐れ、間に立って、頭で天を高く支え、足でしっかりと地を踏みしめた。更に1万8000年の間、天と地は一日に2ないし3mずつ離れていったが盤古も同じ速さで成長し、天と地を引き離しつづけた。やがて盤古は天地が再び合わさる心配がもはや無いと考えると、深い眠りに落ち息を引き取った。

死んだ盤古の息は風と雲に、左目と右目はそれぞれ太陽と月に、四肢と胴は四方位と五大山に、血は川、筋と血管は道路、肉は木々と土(ないし田畑)となり、また髪と髭は星に、体毛は草と花に、歯と骨は金属や石に変じ、汗からは露が生まれた。最後に体内のノミや寄生虫が様々な民族の始祖となった。他の伝承では盤古の目の開閉から昼夜の交代が生じるとするものもある。盤古は五大元素(木火金土水)から生まれ天と地を鑿(のみ)と手斧(ちょうな)でつくったという伝承もある。江南地方では今でも盤古を崇拝している人々もいる。

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  • This Page Last Updated: 2016-01-22