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説明
ローマにおいて、食品を入れる戸棚(ペヌス)の二人一組の神。昔から家庭において信仰が厚かった。後にローマにとって非常に重要な神となり、ローマの中央広場にあるヴェスタ神殿に祀られ、全国家の守護神と考えられるようになった。ヴェスタのほかにラレスとも密接に結び付けられた。「ペナテスはトロイアでも家庭の守護神として崇められていた」とローマ人は考えていて、トロイア戦争末期に英雄アイネイアスが燃え盛るトロイアからペナテス神の神像を両腕に抱えて運び出し、ラティニウム(ローマの前身にあたる都市)の神殿に納めたとされる。つまりローマ人はペナテス神を「ローマがトロイアの子孫である」証拠と考えていた。
ローマの守護神となったペナテス神は槍を携えて座っている二人の戦士像としてあらわされた。同じように二人一組の神であるギリシアのディオスクロイや、プリュギアの古い神で後にギリシアに取り入れられたカベイロスと同一視された。
参考文献
- 01西洋神名辞典 DICTIONARY OF GODDESSES AND GODS
- 監修:山北篤
- 著者:稲葉義明、桂令夫、他
- 発行者:高松謙二
- 発行所:株式会社新紀元社