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説明
エジプト神話において月、特に三日月を司る神。アモンとムートの息子、或いはセベクとハトホルの息子とされる。元々は第4ノモス(州)の都市テーベで信仰されていた神で、名前は「さ迷い歩く者」ないし「旅人」といった意味を持つ。天を渡る月の化身であり、名前がエジプト語の「胎盤」の発音と似ていることから胎内にいる時からファラオの影に寄り添う、ファラオと共にある存在として考えられた。一方でファラオが死んだ時は人間を三日月を武器として殺し、亡きファラオにその肉を供物として捧げる残虐な面もあるともされた。また月の満ち欠けが人体に影響を及ぼすという観念から病気をもたらす神、或いは病気を打ち払う神とされたり、同じく月の神であるトトと結び付けられ暦法の神とされたり、マートの書記とされたりすることもあった。胎盤、あるいは胎盤のミイラをシンボルとし、幼児の印として側頭部から巻き毛を垂らし、頭上に三日月と円盤を重ねた飾りを戴き、手にはウアスとアンク、ジェド柱を組み合わせた笏、鞭、牧杖を手にした若者のミイラとして描かれる。ギリシャではヘラクレスと同一視された。
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参考文献
- 30Truth In Fantasy 64エジプトの神々
- 著者:池上正太
- 発行者:高松譲二
- 発行所:株式会社新紀元社