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説明
仏教において中国由来の変化観音(→観音菩薩)の一つであり、三十三観音の一尊。「魚籃(ぎょらん)」とは魚を入れる籠のこと。馬郎婦観音と同じく観音菩薩が魚商の美女に変化し、法華経を諳んじることができた男の元に嫁いだ、という故事に拠るもの。馬郎婦観音と同体ともされる。三十三観音の一尊としては妙法蓮華経の「或遇悪羅刹(わくぐうあくらせつ)」を含む一節「或遇悪羅刹/毒竜諸鬼等/念彼観音力/時悉不敢害(=或いは悪羅刹、毒龍、諸鬼などと会おうとも、彼の観音の力を念ずれば、時に悉く敢えて害せず)」に対応している。魚の入った籠を持つか、大魚の背に乗った姿で表される。
画像一覧
魚籃觀音
「増補諸宗 佛像図彙(ぞうほしょしゅう ぶつぞうずい)」(1900)より
ページ:v02p016
土佐秀信著
国立国会図書館(National Diet Library)蔵
Copyright : pubric domain
三十三観音の一尊として。
キーワード
参考文献
- 47密教辞典
- 編集:佐和隆研
- 発行者:西村七兵衛
- 発行所:株式会社法藏館
- 66新纂仏像図鑑
- 編集:国訳秘密儀軌編纂局
- 発行者:吉田百邦
- 発行所:仏教珍籍刊行会