仏教において観音菩薩(Avalokiteśvara)の変化身、いわゆる変化観音の一つ。サンスクリット名を「パルナシャヴァリー(Parṇaśavarī)」と称し、パルナは「葉」、シャバリーは「シャバラ(Śabara)族の女」、「蛮族の女」を意味する。これを意味訳して「葉衣観音」、「被葉衣観音(ひようえかんのん)」、「被葉衣観自在(ひようえかんじざい)」、「被葉衣菩薩(ひようえぼさつ)」などと呼ぶほか、音写で「鉢蘭那賒嚩哩(はらなしゃばり)」とも称する。護身・護宅・護国の功徳があり、「葉衣鎮宅法」に拠れば「一回唱えれば自身を護り、二回唱えれば伴侶を護り、三回唱えれば一家を護り、四回唱えれば一家聚楽(集落のこと)を護り、五回唱えれば一国を護る」という。胎蔵界曼荼羅の観音院(蓮華部院)に描かれるほか、三十三観音の一尊としても知られ、観音菩薩(Avalokiteśvara)が姿を変えて人々を救済するという「三十三応現身」のうちの「帝釈身(たいしゃくしん)」(→帝釈天(Śakra-devānam-indra))にあたるものとされる。 被葉衣菩薩 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 地之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 被葉衣菩薩 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 地之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain
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