ヨツン

北欧神話、及びゲルマン神話において、巨人を指す名称。複数形では「ヨツナル（Jotunar, Jötnar, Jǫtnar）」女性形だとギュグル（Gygr, Gýgr）。アサ（Æsir）神族の住む「アスガルズ」の北東にある「ヨツンヘイム」に暮らしている。全てのヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn）はユミル（Ymir）を祖とするベルゲルミル（Bergelmir）の子孫であり、人間や神に対しては時に威圧的、時に協力的な気まぐれな態度で応じ、人間に似た姿ではあるが巨体で毛むくじゃらで気品に欠け、もっぱら酒宴・口喧嘩に興じているという。また多くのヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn）は建築を得意としている。しかし女巨人ギュグル（Gygr, Gýgr）達には壮麗で美しい者も多く、ギュグル（Gygr, Gýgr）が神々の妻になることは珍しくなかった。ヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn）以外の巨人族としてスルト（Surt）を長とする「火の巨人」の一族がいる。