ヤム

フェニキア神話における海や水の神。「川を治める者」と称される。竜、或いは蛇と呼ばれることもある。またレヴィアタン(Leviathan)と称されることもある。ある伝承によれば、ヤム(Yam, Yamm, Jamm)は最高神エル(El)に対して、他の神々よりも格上にして欲しいと願った。エル(El)はこれをバール(Ba'al)に勝ったらという条件つきで承諾した。これに対してバール(Ba'al)は鍛冶の神が鍛えた武器を帯びて戦ったために、ヤム(Yam, Yamm, Jamm)は敗北し、その遺骸はバラバラに撒き散らされ、バール(Ba'al)が王となったという。これはつまり、自然の脅威が文明の力に征服されることを象徴している。敗北したヤム(Yam, Yamm, Jamm)は、女神アスタルテ(Astarte, Astarete)を妻に与えられて慰められるという伝承もある。

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