ヤマ

古代インドの「リグ・ヴェーダ」賛歌に登場する地獄の番人であり死者の王。仏教では閻魔(Yama)にあたる。太陽神ビヴァスヴァット(Vivasuvat)の息子で、大洪水の唯一の生存者で原初の人間であるマヌの兄弟。配偶神とされるヤミー(Yami)は双子の妹である。ヤマ(Yama)とヤミー(Yami)は最初の人間の夫婦だったとされ、また始めて死んだ人間だともされている。リグ・ヴェーダによれば、ヤマ(Yama)は世界を探索する旅に出て、死の道を発見した。その結果人間は死すべき存在になったという。もともと死者を見守る者として親しみのあった存在だったが、聖典「ヴェーダ」の注釈書「ブラーフマナ」が書かれた頃(前1000年頃)には、不吉で破壊的な力を持つ者とされ、人間を罰する恐ろしい存在であり、罠と棍棒を持ち、緑色の体をしており、四つ目の犬を二匹従える存在とされている。この二匹の犬が時々世をうろつき、死者の魂を集めてまわるのである。肉体の離れた魂はヴァイタラニー川を渡り死者の国へと赴く。それから裁きの館へと進む。その魂の行いの報告で、魂が極楽へ行くか、数多くある地獄の一つに行くか、それとも来世に生まれ変わるかをヤマ(Yama)が定めるのという。

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