日本の妖怪。鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」に見える。牛車の車輪の真ん中に頭の禿げた男の顔があり、夜の通りを炎を上げながら走り回るといわれる。輪入道を見たものは魂を抜かれるとか、子持ちの女を襲い子供を八つ裂きにしてしまうとか言われる。片輪車の話を参考に石燕が創作した妖怪だと考えられる。石燕の説明によれば「此処勝母の里」と書いた紙を戸口に貼ると輪入道は家に近づかなくなる、という。「勝母の里」とは孔子の弟子、會子が「母に勝つ」という名を嫌って足を踏み入れなかったという里の名前である。片輪車もそうだが、輪入道の話は「子供を放っておかず母の務めを全うすべき」という教訓が含まれている。つまり石燕の考えによればこの呪符は子供に尊敬される母親像を象徴したものかもしれない。
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