「古事記」において羽山戸神と大宜都比売との間に生まれた八柱の御子神のうち第三子とされる女神。「若沙那売命(わかさなめのみこと)」とも呼ばれる。「若」は兄神(若山咋神、若年神)の流れをそのまま汲んだ美称と思われる(ただし弟神弥豆麻岐神からは付かない)が、「サナメ」の意味については諸説あり、早乙女(さおとめ=田植えの女性)と同義とか、「麻の女(あさのめ)」の転訛などと考えられているが兄弟神の名前から類推し田植えや農耕に関連する神に相違ないと思われる。兵庫県丹波市山南町にある式内社「狭宮神社(さみやじんじゃ)」は若沙那売神を主祭神として祀る。また奈良県奈良市法蓮町にある式内社「狭岡神社(さおかじんじゃ)」は羽山戸神の御子神八柱を合わせて祀っている。
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