ヒンドゥー教ヴィシュヌ(Visnu)派の宗教的信仰の中心として崇拝され、シヴァ(Siva, Shiva, Śiva)、ブラフマー(Brahma, Brahmā)と共に三神一座(トリムールティ)を成す神。ラクシュミ(Lakshmi)を妻とする。元来は太陽神で、天界を三歩で歩くといわれ、愛の神として信者に平等に恩恵を与える。次第に神としての地位を高め、三界を支配する諸神の最高神になった。宇宙を維持し世界を救済するためマツヤ(Matya)(魚)、クールマ(Kurma)(亀)、ヴァラーハ(Varāha, Varaha)(猪)、ナラシンハ(Narashinha, Narasiṃha)(人獅子)、ヴァーマナ(Vamana)(小人)、パラシュラーマ、ラーマチャンドラ、クリシュナ(Kṛiṣṇa)、ブッダ、カルキ(Kalki)の10種の化身(アバターラ)で世界に顕現し、慈悲を持って人々を導くという。主に若く美しい青年の姿で表され、青い体に4本(二対)の腕を持つ。ガルダ(Garuḍa)に乗った姿やアナンタ(Ananta)に護られた姿で表されるときもある。また三神では正面にブラフマー(Brahma, Brahmā)、右にヴィシュヌ(Visnu)、左にシヴァ(Siva, Shiva, Śiva)を配す。 シェーシャに横たわるヴィシュヌ=ナーラーヤナ Shri Sheshanarayana, Vishnu Narayana on Shesha メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)蔵 1886 クロモリトグラフ Copyright: public domain (OASC) 中央でヴィシュヌ(Visnu)がシェーシャ(=アナンタ(Ananta))に横たわり、その周りを妻であるラクシュミ(Lakshmi)(左前)、帰依者であるハヌマーン(Hanuman)とトゥムブル(左後)、聖仙であるナーラダ(右後)、聖鳥ガルダ(Garuḍa)(右前)が囲んでいる。またヴィシュヌ(Visnu)の臍からは蓮華が伸びブラフマー(Brahma, Brahmā)が蓮華上に描かれている。
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