インド神話における風と雷の神で猿神ハヌマーン(Hanuman)の父親。(ときにインドラ(Indra)を御者とした)多数の駿馬の引く光り輝く馬車に乗っているとされる。ヴァーユ(Vāyu)の馬車が通るとすさまじい風と雷の音が響き、その雷は天に達すれば暁が起こり、地に達すれば砂塵を巻き上げるとされた。ヴァーユ(Vāyu)の姿は人には見えず、ただ轟音だけが通り過ぎ去るのみである。ヴァーユ(Vāyu)がどうやって生まれたのかは誰も知らないことになっている(しかし原初の巨人プルシャの息から生まれたとする神話もある)。また現在のスリランカにあたるランカー島はヴァーユ(Vāyu)がメール山(スメール山ともいう。日本仏教でいう須弥山)の頂上部分を吹き飛ばして作ったものだとする神話もある。後世のヒンドゥー教では北西の方角と風を司る神とされた。仏教にも取り込まれ、漢訳で「風天(Vāyu)(ふうてん)」と称される。
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