ヴァルナ

インド神話における法と水、天を支配する神。ミトラ(Mitra)とは双子でアーディティ(Aditi, Āditi)の子(アーディティヤ)とされる。インドラ(Indra)が武勇神、軍神であったのに対し、帝王の威信を持ち、「天則(リタ)」の保護者として宇宙一切の秩序を保持する。リタとは自然界、人間界に秩序を与える理法で、それによって天体は正しく運行し、四季は時を違えず循環するのみならず人間社会に発言して道徳律となる。彼は欺瞞と背信をもっとも憎み探偵を放って人間の行動を監視し、竜索と呼ばれる大縄で悪人を縛り水腫病によって罪人を罰する。その怒りと懲罰の前に人間は畏怖したが、反省があればこれを取り消すこともあったという。したがってヴァルナ(Varna)は過去や未来を知り、常にどこにでも存在すると考えられた。太陽はヴァルナ(Varna)の目である、ともされた。 後世の神話においては司法神としてではなく水神として信仰され、西の方角と海と水を治める水の王とされた。しばしば七羽の白鳥に乗った姿で表され、風はヴァルナ(Varna)の息であるとされた。「マハーバーラタ」によれば海のただ中に住み、全ての河と全ての海を従えているという。仏教にも取り込まれ、漢訳されて「水天(Varuna)(すいてん)」と称する。

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