烏芻沙摩明王

仏教において金剛界曼荼羅の一尊であり不浄を転じて清浄とする明王。梵名を「ウッチュシュマ(Ucchuṣma)」と称し、「烏芻沙摩」はその音訳。他に「烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)」、「烏枢渋摩明王(うすしまみょうおう)」、「烏枢瑟摩(うすしま)」とも音訳表記する。また名前の意味と尊格から「不浄金剛(ふじょうこんごう)」、「穢積金剛(えしゃくこんごう)」、「火頭金剛(かとうこんごう)」、「穢跡金剛(えせきこんごう)」、「除穢忿怒尊(じょえふんぬそん)」などの名でも呼ばれる。形相には異同があるが、目は赤く、身は黒く、四臂で、火炎に包まれ忿怒の相を示す。主として安産または出産の不浄を払う効験を持つとされるが、密教、禅宗などでは穢れを浄化することから便所の守護神とされ、便所に烏芻沙摩明王(Ucchuṣma)の札を置くことが今でも多々有る。平安時代においては祈念すれば男子を授かるという修法「烏芻沙摩変成男子法(うずさまへんじょうなんしほう)」の本尊として祈祷が行われた。

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