京都府宇治川に架けられている宇治橋を守護するとされる女神でもっとも著名な橋姫。「橋姫明神(はしひめみょうじん)」、「橋守明神(はしもりみょうじん)」とも呼ばれる。かつての宇治橋には橋の南側に「三の間」と呼ばれていた張り出しがあり、ここで祀られていたが、そこから橋の西詰にうつされ、現在は橋近くの橋姫神社に祀られており、本体を瀬織津比咩神とする。大化2年に宇治橋を架けられた折りに上流で祀られていた瀬織津比咩神を祀るようになったのがはじまりとされる。「古今和歌集」に「さむしろに/衣かたしき/今宵もや/我をまつらむ/宇治の橋姫」と歌われており、この頃から橋姫の伝承があったことが分かる。中世に生まれた伝説によると、嵯峨天皇の代に嫉妬のために宇治川に身を沈め、鬼と化して京都の人々に害を与えたという。こういった伝承から宇治橋姫は橋の守護神であるとともに悪縁を切る女神とされる。
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