日本記紀神話における航海の神。底筒之男命、中筒之男命とともに住吉大社に祀られるので、この三神を「住吉三神(すみよしさんじん)」と呼ぶ。上筒之男命はその中で住吉大社の三宮に祀られている。古事記では「上筒之男命(うわつつのおのみこと)」、日本書紀では同訓で「表筒男命」、あるいは「磐土命(いわつつのみこと)」と記されている。伊邪那岐命が黄泉国から逃げ帰り、禊祓(みそぎばらい)を行ったとき、その濯いだ水から生じた神。神名の「うわ」は海上のこと、「つつ」は航海の指標となる星、或いは助詞の「つ」+「津」などに解され、航海の守護をする神とされる。また記紀神話の神としては珍しく、人の前に形を持って現われ、歌を詠んだという伝説が残っているため、和歌の神としても信仰された。
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