ウシャス

インドの聖典「リグ・ヴェーダ」に見える神。暁の象徴で、ヒンドゥー教の大地の女神プリティヴィー(Pṛthivī)の娘(プラジャーパティ(Prajapti)の子にして妻とされることもある)。夜の女神「ラートリー(Rātrī)」の妹。また、スーリヤ(Surya, Sūrya)の母または恋人とされ、常にうら若い美女として「リグ・ヴェーダ」における女神中最も顕著な存在であり、豊かで活発な生命力をもたらし、リタ(天則)を誤らず、時を違えず、太陽の先駆として暗黒を退ける。その力は闇を退けるが、反対に老いの源でもあるといわれる。ウシャス(Ushas, Uṣas)はいつまでも年をとらず永遠に美しい姿を保っているが、これはウシャス(Ushas, Uṣas)が毎朝生まれ変わっているからである。ウシャス(Ushas, Uṣas)の出す光によって、人間は真理の道を見つけ出すことが出来るという。暁の神として毎朝世界中の全ての生物を起こすのが彼女の役目である。 「リグ・ヴェーダ」の中で、ウシャス(Ushas, Uṣas)は薔薇色の衣装と金色のヴェールをまとった花嫁として描かれている。さらに、踊り子として宝石を身にまとっていたり、水浴びを終えようとしている美しく若い女性として描かれていることもある。ウシャス(Ushas, Uṣas)は薔薇色の牝牛や馬に引かれた馬車を御すが、これらの動物は暁に輝く雲を表している。

ページにリダイレクトします。