宇迦之御魂神

日本記紀における食物神の一人。「古事記」には「宇迦之御魂神」と記述され、須佐之男命と神大市比売との間に生まれた子とされる。「日本書紀」では「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」と記述され、伊邪那岐命と伊邪那美命の間に生まれた子とされる。「うかのみたま」とは「稲魂」とも書き、穀霊を神格化した神であるとされる。また、「うか」あるいは「うけ(け)」は「食」にも通じ、「豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)」や「保食神(うけもちのかみ)」などのように、稲や穀物の神は多くこの語を含む。また倉稲魂命の「倉」は「食」の写し損じがそのまま伝わったものではないかと考えられている。 稲荷神の信仰が広く浸透するにつれ、昔から信仰されていた穀霊神である宇迦之御魂神はその信仰に吸収され同一視されるに至った。現在稲荷社に祀られる祭神は宇迦之御魂神と同一視される神である。また発音の類似から宇賀神と混同、同一視される。

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