古代エジプトのコブラの姿をした女神。「ワジェト(Wadjet)」、「ウト(Uto)」とも呼ばれる。元々は下エジプトの第6ノモスの州都ブトで信仰されていたと思われる古い神で、彼女の姿は最高神レー(Re)の頭にあるウラエウス(Uraeus)蛇だと考えられ、その強烈な毒によって敵を打ち倒すとされた。彼女を崇拝していた下エジプトが上エジプトと争っていた時、上エジプトではハゲワシの女神ネクベト(Nekhbet)が崇拝されていた。このため上下エジプトが統一された時、コブラとハゲワシの並んだ姿が国王のしるしとなり、国王はウジャト(Vaget)の赤い冠とネクベトの白い冠を同時にかぶったという。神話の中ではイシス(Isis)がセト(Set, Seth)に殺されたオシリス(Osiris)の死体を探す間、イシス(Isis)の息子であるホルス(Horus)を預かり乳母として育てたのがウジャト(Vaget)とされる。レー(Re)の娘の一人であり、セクメト(Sekmet, Sekhmet)やハトホル(Hathor)と同一視されることが多い。とぐろを巻くコブラ、或いは蛇か雌ライオンの頭を持つ女性の姿で表される。
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