ウヘル・ア・ラック

パラオ神話に登場する兄弟神の弟。ウヘル・ア・ロイサンを兄とする。ウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)はいつも兄のもとに食事を持っていくよういわれていたが、その時大声で歌を歌いながら来るように、とも言われていた。不思議に思ったウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)がある日歌わないでこっそりと兄のところへ行ってみると、兄は大きな月を独り占めして灯り代わり使っていた。家に帰ってウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)が泣いたので、彼らの父は月を少し削って弟にも分け与えた。この月の欠けらは三日月形だったので、彼はこれを釣り針にした。ところが二度目の釣りでこの釣り針はなくなってしまった。釣り針を探すためウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)が海中に入っていくと、そこには村があった。そこに住んでいたディリクツーという名のお婆さんが喉を腫らしていた。ウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)は村人達に酒を飲ませると、人々は陽気に踊りだして、それを見て笑ったディリクツーの口の中から釣り針が飛び出た。ウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)が陸に戻って再び釣りをすると、ディリクツーは今度は餌だけとって針を投げ捨てた。この針は海中の村にあった石に引っかかった。ウヘル・ア・ラック(Ucherrerak)が釣竿を思いきり引くと海中から村があらわれた。

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