日本記紀神話に登場する神。「豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)」、「豊国主尊(とよくにぬしのみこと)」、「葉木国野尊(はごくにぬのみこと)」、「国見野尊(くにみぬのみこと)」等、さまざまな異名がある。「日本書紀」「古事記」どちらにも別天神に次いで生じた神世七代として登場する。別名である「豊国主尊」は「豊かに満ち足りた国」の意味であり、おそらく、神世七代を通して油脂の如く漂っていたものは次第に形をなしていく様子を名前を通して表現したものであると考えられる。 豊斟渟尊󠄂(トヨクニヌノミコト) 江戸後期 玉蘭斎貞秀著 「神佛図會」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 天神㐧三代 豊斟渟尊󠄂 御歳百億万 以上号ス純男神ト御名有 万民ニ大道ヲ教ヘ國ヲ賑セ玉フ御名ニ有リ/其德廣大成リ/民神君ノ教ヲ守リ天地ニ法五常ノ道自ニ備ル/ユヱニ神ノ道神國ト号ス/國常立尊󠄂國狭搥尊󠄂豊斟渟尊󠄂此三代ノ君立テ男ヲナシ玉フ是君有テ今ダ臣ト言者定メ無シ/天下ニ火德ヲ以テ帝王ニ立セ玉フ/米無レバ濃人ト云者モ百姓モ然リ火食ヲ不知山ニ草木ノ實ヲ取テ野ニ生ズル草ノ實海岸ニテ魚貝河流湖水ノ中ノ芽ヲ採リ生ニテ食用ス/是ハ阿佐浬ト云フ/人ミナ食物ヲ山ノ穴ニ入草ヲ編テ戶サス/然レバ山戶國ト云/天神七代此國ニ都ス
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