アイヌにおける植物のカムイ。「トゥレプ」とはアイヌ語でウバユリのこと。アイヌ人にとって北海道に生える大姥百合(おおうばゆり)の根茎は重要な食物の一つであり、トゥレプカムイはアイヌ人が何故植物を食べるようになったかを説明する神謡に登場する。トゥレプカムイはかさぶただらけで毛髪が一本も無い不気味な女性の姿でアイヌ人たちの家を訪れ、頭のかさぶたを爪で掻き落として鍋に入れて茹で、その恐ろしい白い粥状の汁をアイヌ人たちに食べさせようとする。死ぬ気で粥を口にしたアイヌ人は、それが素晴らしくおいしい食べ物であることを知った。驚くアイヌ人達の前で、トゥレプカムイは本来の美しい姿をあらわし、自分(ウバユリ)がおいしい食べ物であることを知らないアイヌ人達に、自分の利用法を教えに来たということを明かす。
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