トール

北欧神話においてアサ(Æsir)神族に属する雷神にして戦神、強力無双の神。名前も「雷」を意味する。結婚と農作物の実りを守護する神でもある。一般的に主神オーディン(Ōðinn, Odin)とヨルズ(Jörd, Jördh, Jǫrð)との間に出来た子供であるとされている。顔一面を赤い髭が覆っているため「赤ひげ」と称されることもある。すべてを粉砕する魔法の槌「ミョルニル」とその柄を握るための鉄の手袋、締めれば全身の力が倍加するという腹帯を所有している。姦計の神ロキ(Loki)と仲が良く、よく二人で旅に出かける。その時はたいていロキ(Loki)をベルトにぶら下げて歩いた。他のアサ(Æsir)神族の神のように馬には乗らず、徒歩か或いは雄山羊タングノスト(Tanngnost)とタングリスニル(Tanngrisnir)の牽く戦車に乗って出かけた。 豪腕を頼みとする性格なので鋭敏さや賢さにかけ、単純で愚直な神であり、いきなり怒ったりすぐ機嫌が直ったりする。また大食漢で大酒呑みでもあるという奔放な人間らしい性格から、古代ゲルマンの数多くの農民や戦士に愛され信仰を集めた。巨人族との最終的な戦いである「ラグナロク」においては、世界蛇「ミズガルズオルム(Midgardsorm, Midgardsormr)」と相打ちになり死ぬと予言されている。

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