トナティウ

メソアメリカ中央部における太陽神。クアウートレウアニトル(Cuauhtlehánitl=「天に昇る鷲」)とクアウテモック(Cuauhtémoc=「降りる鷲」)の姿で顕現する。配偶神はヨワルテクートリ(Yohualtecuhtli)。とくにメシーカ・アステカ人(一般にアステカ人といわれるメキシコ盆地に移った最後の部族)にとって、若い戦士としての戦神ウィツィロポチトリ(Huitzilopochtli)と結びついていた。さらにヨワルテウクティン(Yohualteuctin)(夜の神々)の3番目として、若々しいトナティウ(Tonatiuh)の姿をとるピルツィンテクートリ(Piltzintecuhtli)でもあった。サポテカ神話の「コピーチャ(Copijza)」に相当する。 トナティウ(Tonatiuh)は生命の供給者であり、神話の中で5回変わった太陽のうち現在天上にある第5の太陽そのものであり、アステカの20ある暦日(センポワリ)の19日目である「キアウィトル(Quiáhuitl=「雨」)」の守護神であり、さらにトナルテウクティン(Tonalteuctin)(夜の神々)の4番目でもある。トラルテクートリ(Tlaltecuhtli)やウィツィロポチトリ(Huitzilopochtli)と同様に人間の生贄を頻繁に要求する神であり、多くの心臓と血がこの神に捧げられた。 またトナティウ(Tonatiuh)自身もテクシステカトル(Tecciztecatl)とナナウアツィン(Nanahutzin)の犠牲によって生まれた神である。生まれたトナティウ(Tonatiuh)=第5の太陽はそのままでは動かず、生贄の血を要求した。これをなだめるために神々はケツァルコアトル(Quetzalcoatl)を呼び、彼の黒曜石のナイフで自分達の心臓を取り出させた。 トナティウ(Tonatiuh) 1901 「テリェリアーノ・レメンシス絵文書(Codex Telleriano-Remensis)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain トナティウ(Tonatiuh) 1898 「ボルギア絵文書(Codex Borgia)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain トナティウ(Tonatiuh) 1898 「ボルギア絵文書(Codex Borgia)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain

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