仏教におけるテン(Then)の一種。「都牟盧(とむろ)」とはサンスクリット名「トゥンブル(Tumburu)」を音写したもの。トゥンブルとはコリアンダーやベンガルガキの一種の果実を意味し、「椒(しょう)」と訳す場合もあるが、ここではヒンズー教において馬頭で描かれるガンダルヴァ(Gandharva)(=乾闥婆(Gandharva))の固有名で、胎蔵界曼荼羅の文殊院の北端に配され、四隅に侍る阿爾多(Ajitā)、阿波羅爾多(Aparājitā)、微誓耶(Vijayā)、誓耶(Jayā)の四姉妹天の兄であるとされる。「兜牟盧(とむろ)」、「都牟盧(とむろ)」、「噇母嚕(とむろ)」(噇は瞳とも)などとも表記される。種字は「तु(tu)」、「क(ka)」、三昧耶形は棒。
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