チェプコロカムイ

アイヌにおいて魚の主とされたカムイ。名前は文字通り「魚の主のカムイ」の意。「チェパッテカムイ(魚を増やすカムイの意)」とも呼ばれる。アイヌ人が「カムイチェプ(=神の魚)」と呼ぶ鮭はアイヌ人の最も重要な食料源であったが、アイヌ人にとってあまりにも身近の存在であり、大量に採れる魚であるため、鮭自体には神聖や畏敬を見出さなかったらしい。その代わりに想定されたのが鮭の数を体現するチェプコロカムイである。神謡ではチェプコロカムイが口からこぼした鱗を撒くとそれが鮭の群れになるとされている。チェプコロカムイは自身の顕現体を持たず、またアイヌ人の礼拝の対象としてのカムイでも無かったらしい。

ページにリダイレクトします。