チベット仏教においてのアヴァローキテーシュヴァラ(Avalokiteshvara, Avalokiteśvara)(観音菩薩(Avalokiteśvara))。より正しくは「チェンレーシク・ワンチュク(sPyan ras gzigs dbang phyug, Chenrezig-wangchug)」、或いは「パクパ・チェンレーシク('Phags pa spyan ras gzigs, Pakpa chenrezik)」といった名前であり、それぞれ漢名での「観自在」、「正観音」にあたる。チベットの守護神、あるいはチベットの父だと信じられている。チェンレーシク(Chenrezig, sPyan ras gzigs)は全ての魂を救済する願をかけ、自分の周りの全てを生き物を残らず救おうとしたがそれは出来ないことだと悟り、絶望のあまり自分の肉体を無数の破片にしてしまった。これに心を痛めたアミターバ(→阿弥陀如来(Amitāyus, Amitābha))は彼の願がかなうように、数え切れないほどの頭と、千の目が手のひらについた千の腕を与えてチェンレーシク(Chenrezig, sPyan ras gzigs)を生まれ変わらせた(→千手観音(Sahasrabhuja))。彼は自分の涙から生まれた女神ターラーとともに協力して魂の救済にあたっているという。 仏教をチベットに持ち込んだソンツェン・ガムポや、活仏とされるダライ・ラマはチェンレーシク(Chenrezig, sPyan ras gzigs)の生まれ変わりだと信じられている。
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