ティル

もしくは「チュール」。ゲルマン神話におけるアサ(Æsir)神族に属する神。「ティワズ(Tiwaz)」とも呼ばれる。ギリシアのゼウス、インドのディヤウス(Dyaus)、ローマのユピテル(Jupiter)等と同一語源の神名を持ち、戦争や契約、法、鍛治の守護者として、オーディン(Ōðinn, Odin)と並ぶ最高神とみなされた。巨人ヒュミル(Hymir)の息子、或いはオーディン(Ōðinn, Odin)とフリッグ(Frigg)の息子とされ、神々の中でもっとも勇敢な者と称えられた。 神々が冗談めかして(或いはアスガルズを破壊されたため)フェンリル(Fenrir)を縛ろうとした際に、ティル(Týr)はフェンリル(Fenrir)を安心させるために片手を担保としてフェンリル(Fenrir)の口へ入れたが、神の罠にかかったと知ったフェンリル(Fenrir)はティル(Týr)の腕をそのまま食いちぎった。そのためティル(Týr)は片腕である。 戦のときにティル(Týr)に祈るのは大いに幸運をもたらす事で、また剣に戦いのルーン文字(↑)を刻んだ彼の名を唱えれば、戦勝が期待できるという。ラグナロクの際には、ガルム(Garm, Garmr)と相打ちになる。

ページにリダイレクトします。