チベット仏教における十二人の女性のチョキョン(Chos skyong, Chökyong=護法神=ダルマパーラ(Dharmapala, Dharmapāla))。「12のテンマ」を意味する。元々「テンマ(brTsan ma="堅固な女"の意)」とはインドの大地の女神である、「スターヴァラー(Sthāvarā)=堅牢地神」に対する訳語であったが、チベットではこれが12人いるとされ、さらに綴りも「bsTan ma="教法の女"の意」と書かれるようになった。4人の魔女(ドゥモ)、4人のヤクシニー(Yakxinī)(ヌージンモ)、4人のメンモ(女の精霊ないし悪魔)によって構成され、一般的に動物に騎乗し手にはそれぞれ異なる持物を持つがその動物や持物は一定しない。チベット各地の聖山や聖湖を住処とするとされる。タシツェリンマ(bKra shis tse ring ma, Trashi tseringma )やタムチェン・ガルワナクポ(Dam can mgar ba nag po, Damchen garwa nakpo )の眷属とされ、「ペマカタン」に拠ればパドナマサンバヴァがチベットに向かう際にオユクテモ('O yug bre mo)で「キョンマチュニー(sKyong ma bcu gnyis="12のキョンマ(守護母)")」、「ヤマチュニー(Yama bcu gnyis="12のヤマ(Yama)")」とともに召され、仏教守護の誓いを立て埋蔵宝を託されたとされる。
ページにリダイレクトします。