テクシステカトル

アステカにおいて、五番目の太陽の世界、つまり現在の世界における月を司る神。本来、第五の太陽になるのはテクシステカトル(Tecciztecatl)の役目だったが、そのためには神々の起こした火に飛び込まなければいけなかった。傲慢で強靭かつ頑固な神であったはずのテクシステカトル(Tecciztecatl)もこの時だけは尻込みして飛び込もうとしなかったが、テクシステカトル(Tecciztecatl)の双子の兄弟で、いつもは謙虚でひ弱なナナウアツィン(Nanahutzin)が先に飛び込んだ。これに恥じてテクシステカトル(Tecciztecatl)も続いて火に飛び込んだ。こうしてナナウアツィン(Nanahutzin)は太陽に、テクシステカトル(Tecciztecatl)は月になった。最初月は太陽に負けないほど明るかったが、神々の一人が月の顔にウサギ(トチトリ)を投げつけたので暗くなってしまったという。従ってアステカでは月のクレーターはウサギの輪郭に見えると説明されていた。 テクシステカトル(Tecciztecatl) 1898 「ボルギア絵文書(Codex Borgia)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain

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