中国最古の地理書とされる「山海経」の西山経の西次三経に言及される神ないし神鳥。英水という川が流れる天山という山にいる神で、黄色い袋のようで、炉の中の炎のような赤く、六つの足と四つの翼を持っているが、「渾敦(混沌)として」頭も目もないが歌舞に詳しいという。畢沅の注では「春秋左氏伝」にある「帝鴻氏には不才の子がいる。いわゆる渾沌である」という文を引き、渾沌(Hun-dun)は帝江(Dì jiāng)自体か、帝江(Dì jiāng)の子ではないかとしている。「帝鴻氏」とは「五帝本紀」の賈逵の注によれば黄帝(Huáng-dì)のことだという。また「山海経」の大荒東経には「帝俊は帝鴻を生み、帝鴻は白民を生んだ」と言う記述がある。西次三経で帝江(Dì jiāng)は「有神焉(神あり。焉は断定の助字)」で始まる文にて説明されているが、郝懿行はこれを「有神鳥(神鳥あり)」の間違いではないかと指摘しており、畢沅などは実際「焉」を「鳥」に校している。
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