エジプト神話における女神。アトゥム(Atum)もしくはレー(Re)の唾ないし精液から、夫であるシュー(Shu)とともに生まれた。エジプト神話において性別を持った初めての女神であり、シュー(Shu)が空気を司るのに対して霧や湿気のような水気の含んだ空気を司るとされた。シュー(Shu)は空気として自分達の子供であるゲブ(Geb)(大地)の上でヌート(Nut)(天)を支えているが、テフヌト(Tefnut)もこれを手助けしているとされる。 テフヌト(Tefnut)をレー(Re)の娘とする神話においては、テフヌト(Tefnut)はレー(Re)の娘であるとともに彼の取り外し可能な眼球「レー(Re)の眼」であるとされている。レー(Re)の眼はつまり太陽そのものだが、ある日テフヌト(Tefnut)はこの役目を放棄して逃げ出してしまったため、こまったレー(Re)はトト(Totho)、オヌリス(onurisu)、シュー(Shu)の三人に捜索に向かわせた。テフヌト(Tefnut)は魔法によってトト(Totho)の虜にされ無事戻ったという(そのためテフヌト(Tefnut)はトト(Totho)の妻とされることもある)。しかし、テフヌト(Tefnut)を捜索していたはずのレー(Re)は既に新しい眼を作ってしまったいたのだ。自分の戻るべき場所がないと知ったテフヌト(Tefnut)はいかり狂い、炎を吐くコブラに変身して暴れまわった。そこで、レー(Re)はしょうがなくそのコブラを自分の額につけたのである。これは「ウラエウス(Uraeus)」と呼ばれ、レー(Re)や太陽に関わるその他の神の頭飾りとなっている。またファラオたちもこのウラエウス(Uraeus)の飾りをつける。その後テフヌト(Tefnut)はトト(Totho)によってナイル川の水で清められてハトホル(Hathor)ないしバステト(Basted, Bastet, Bestt)に生まれ変わったという。 テフヌト(Tefnut)は雌ライオンの頭を持った女性の姿、あるいは単に雌ライオンの姿で表される。また頭部にはウラエウス(Uraeus)蛇ないし太陽円盤を戴く。
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