日本記紀神話における水を司る女神。「玉依姫(たまよりびめ/たまよりひめ)」、「玉依日売(たまよりひめ)」、「玉崎神(たまさきのかみ)」などとも呼ばれる。綿津見神(あるいは大綿津見神)の子で豊玉毘売命の妹。鵜葺草葺不合命の養母であり、後に鵜葺草葺不合命と結婚して四人の子を産む。その末子が神日本磐余彦尊(かむやまといわれびこのみこと=神武天皇)である。 「玉依」とは「霊依、魂憑」から来たもので、神の依り憑く巫女、あるいは神霊が憑依する乙女といった意味がある。つまり「玉依」とは元来巫女をさす普通名詞であったと考えられる。女性の生殖能力の神格化でもあり、それに関連して多産や豊穣を司り、さらに人間の生命の源である水を司る神でもある。「玉依姫」という名称は高御産巣日神の娘である万津幡豊秋津姫の子として、また「逸文山城風土記」所引賀茂神社の伝承に賀茂別雷命を丹塗矢で受胎した母として見える。
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