「延喜式」や「古語拾遺」などにみえる鎮魂を司るとされる神。「延喜式」には「玉留魂(たまつめむすび)」、「玉積産日神(たまつめむすびのかみ)」、「古語拾遺」には「魂留産霊(たまつめむすび)」の名で見える。「玉留」、「魂留」は「タマトメ」とも訓む。またほかに「玉留産霊命(たまつめむすびのみこと)」、「魂留産霊命(たまつめむすびのみこと)」、「魂留産霊神(たまつめむすびのかみ)」とも呼ばれる。 神武天皇(→神倭伊波礼毘古命)の即位の際に皇天二祖(天皇の祖である天照大御神と天の神の祖である高御産巣日神のこと)の神勅に従って祀られるようになったとされる八柱の神の一柱であり、魂(あるいは御霊)を身体に鎮め留まらせる神であるという。また玉留魂神は「先代旧事本紀」などに語られる「十種神宝(とくさのかんだから)」の一つで、死者を生き返らせることができるという「死返玉(まかりかえしのたま)」の霊能を司る神ともされる。元々は神祇官中の八神殿において祀られたが、現在は宮中三殿のうちの神殿で祀られている。また奈良県天理市にある「石上神宮(いそのかみじんぐう)」の摂社である「七座社(ななざしゃ)」や島根県大田市川合町にある「物部神社(もののべじんじゃ)」、和歌山県田辺市芳養松原にある「大神社(おおじんじゃ)」や岩出市宮にある「大宮神社(おおみやじんじゃ)」などにほかの鎮魂の神とともに祀られる。
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