山口県の長門市や萩市周辺に伝承が残る妖怪。「タキワロウ」、「タケワロ」ともいう。また「瀧童」の字を当てる場合もある。「タキ」とは崖のことで断崖絶壁によく現れることからの名と考えられる。長門市の川尻岬では崖童に出遭うと長く患ってしまうという。萩市の大島では崖童がグミだと言ってコガ(サルナシのこと)の実をいっぱいくれた、という話が伝わっている。また山に三年、川に三年いて、海に入るとエンコ(猿猴)になる、といった河童に似た話も伝わっている。「見島聞書」に拠れば、魚釣りなどに行くと姿を見せずにグツグツと音を鳴らすものが「タケワロ」で、「シッカリナゲエ、シッカリナゲエ」と声をかけると音がゴツゴツと変わる、と言った話が載っている。
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