仏教における仏尊で、マーラ(Māra)が仏教に帰依し、六欲天の第六天の天主となった姿。名前はサンスクリットの「パラニルミタヴァシャヴァルティン(Paranirmitavaśavartin="他の化生を支配下に置く"の意)」の意味を漢訳したもの。この他化自在天(Paranirmitavaśavartin, Paranirmitavaśavartino Devāḥ)や第六天といった名称は元々この仏尊の住む世界の名称であり、六道における天道(天上道)に属する、六欲天のうちの最高位の世界を示す。「他化自在天(Paranirmitavaśavartin, Paranirmitavaśavartino Devāḥ)」のほか、「他化天(たけてん)」、「他化自在天魔(たけじざいてんま)」、「他化自在天王(たけじざいてんのう)」といった意味訳、「波羅尼蜜和耶拔致天(はらにみつわやばちてん)」といった音訳、また第六天の天主であることから「第六天(だいろくてん)」、「第六天魔王(だいろくてんまおう)」などとも呼ばれる。 他の所化(教えや導き)を自分のものとして快楽を成す(=悟りを楽しむ)がために「他化自在」と称するとされ、正法に害を与える存在として四魔の一つに数えられる。胎蔵界曼荼羅外金剛部院の北方(左側)に、侍者二人を伴って形で配される。その像容は肉色の身色で右手に箭、左手に弓を持ち筵に坐すもので、両脇の侍者はそれぞれ他化自在天(Paranirmitavaśavartin, Paranirmitavaśavartino Devāḥ)に近い方の手に未開敷蓮華を持つ。 種字は「पा(pā)」、「पं(paṃ)」、「रो(ro)」、三昧耶形は弓箭。 他化自在天衆 「大正新脩大藏經図像部 第1巻」 「大悲胎藏大曼荼羅 仁和寺版」より 大蔵出版 ©大蔵出版及びSAT大蔵経データベース研究会(Licensed under CC BY-SA 4.0) 胎蔵界曼荼羅外金剛部院における図像。
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