熊本県阿蘇市にある「阿蘇神社(あそじんじゃ)」における主祭神。「健磐龍神(たけいわたつのかみ)」、「阿蘇大神(あそのおおかみ)」、「阿蘇大明神(あそだいみょうじん)」などの名でも呼ばれる。神武天皇(→神倭伊波礼毘古命)の子である「神八井耳命(かんやいみみのみこと)」の子神であり、神武天皇の東征の後に鎮護のために九州へと赴いたとされる。「日本書紀」に登場する「阿蘇都彦(あそつひこ)」に比定されるが、この記述は第12代景行天皇の九州巡幸においての話で時代が合わない。また「先代旧事本紀」には神八井耳命の孫として「建五百建命(たけいおたけのみこと)」の名が見え同神かと思われるが、こちらは科野(=信濃)の国造であったとされている。同じく神武天皇の子である「日子八井命(ひこやいのみこと)」の子神である「阿蘇都媛命(あそつひめのみこと)」との間に阿蘇国造、及び阿蘇氏の祖となる「速瓶玉命(はやみかたまのみこと)」をもうけたとされる。阿蘇神社の祭神は健磐龍命を一宮とし、その親族全十二柱で構成される(「阿蘇十二宮」と称する)。健磐龍命は阿蘇山を司りまた阿蘇を開拓した神とされ、立野火口瀬は火口湖の水を逃がすために健磐龍命が外輪山を蹴破ってできたものだと伝わっている。 熊本県阿蘇市の「阿蘇神社」を総本社とし、九州を中心とした各地の「阿蘇神社」に祀られる。また阿蘇氏ゆかりの熊本県山都町男成にある」「男成神社(おとこなりじんじゃ)」、熊本市南区城南町にある「宮地神社(みやじじんじゃ)」、熊本県下益城郡美里町にある「若宮神社(わかみやじんじゃ)」などにおいても祀られている。
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