エジプト神話における大気の神で、ヘリオポリスの九柱神(The Nine Gods of Heliopolis)の一柱。神名は「空虚」、「上に支える者」などの意と考えられている。妻である湿気の女神テフヌト(Tefnut)とともに、最高神レー(Re)(ラー・アトゥム)の口から唾もしくはくしゃみとして誕生した。エジプト神話の最初の夫婦神であり、後に二人はゲブ(Geb)とヌート(Nut)をもうける。レー(Re)のもとを去ったシュー(Shu)とテフヌト(Tefnut)は、時が始まったその瞬間から存在するという深淵ヌン(Nun)の探検に出かけた。レー(Re)は子供を失ったと思い大いに悲しんだ。それだけに2人が戻ってきた時の喜びはひとしおで、レー(Re)の目からうれし泣きの涙がほとばしり出たという。そしてこの涙から最初の人間が誕生した。シュー(Shu)はレー(Re)を継いで王位に上るが、アペプ(Aapep, Apep)の崇拝者達の攻撃に絶えず悩まされていたためうんざりし、自分は天界に退き、息子のゲブ(Geb)に王位を譲った。 大気、ひいては大気の動きによってできる風や雲を司る神であり、さらに聴覚と人間の思考を支配する神であるとされる。レー(Re)は太陽の舟に乗って毎日空を回ることによって大地を照らすとされるが、レー(Re)に生命の息吹を吹き込んで毎日レー(Re)を生き返らせるのはシュー(Shu)の役目だとされた。大地であるゲブ(Geb)と天であるヌート(Nut)を引き離す形で、大地(ゲブ(Geb))の上に立ち天(ヌート(Nut))を支えた姿で三神一体で描かれることが多い。トゥトアンクアメン王墓から発見された象牙製の枕はこのイメージを継承して枕を支えるシュー(Shu)の像がデザインされている。シュー(Shu)は普通人間の姿で描かれるが、レー(Re)の息子としてライオンの頭部を持つ獣頭人身の姿で描かれることもある。
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