スラオシャ

ゾロアスター教における「崇拝に値する存在たち」ヤザタ（Yazata）の一人。忠直のヤザタ（Yazata）とされた。場合によってはさらに高位のアメサ・スペンタ（Amesa Spenta, Aməša Spənta）の一柱とされることもある。「スローシュ（Sros, Srosh）」、「セロシュ（Serosh）」、「シルシ（Sirushi）」などの名でも呼ばれる。最高神アフラ・マズダ（Ahura Mazdāh）を崇拝する者達は、スラオシャ（Sraosha, Sraoša）を「耳を傾ける者」とし、スラオシャ（Sraosha, Sraoša）を媒介してアフラ・マズダ（Ahura Mazdāh）に自分達の祈りが届くと理解していたため、スラオシャ（Sraosha, Sraoša）は「アフラ・マズダ（Ahura Mazdāh）の耳」、「祈りの聞き手」と考えていた。ミトラ（Mithra）とともに「真言（マンスラ）」を司る者であり、マンスラを武器としてダエーワ（Daēva）ら神の敵と戦うとされる。夜の間スラオシャ（Sraosha, Sraoša）はアフラ・マズダ（Ahura Mazdāh）の命によって、被創造物の全てをアエシュマ（Aesuma）率いる邪悪な悪霊たちから守るために天上から降りてくる。魔力が弱まる日没後でも休まず戦い人々を救ったとされる。またミトラ（Mithra）やラシュヌ（Rashnu）とともに死後の裁判官としても知られ、人が死んでからの3日間はスラオシャ（Sraosha, Sraoša）が篤く祀られた。 イスラム教に改宗がなされると、スラオシャ（Sraosha, Sraoša）はアラー（Allah）の使者である天使スルシュとして取り込まれた。