日本の東北地方で信仰される馬の守護神。「蒼前様(そうぜんさま)」とも呼ばれる。また「そうぜん」は「勝善」、「相染」などの字もあてられる。「蒼前」とは「驄騚(そうぜん=葦毛で四肢が白い馬のこと)」という語を元にしている考えられる。岩手県の九戸郡地方では12月9日を蒼前神の祭日として牛馬を飼う家は必ず供え物を捧げた。岩手県二戸郡では馬頭観音(Hayagrīva)と同一視され、1月16日になると馬の飾り参詣した。秋田県仙北郡では猿太夫(猿回しを生業とする者のことであり、昔は馬医を兼ねていた)と呼ばれる祈祷師が家々をめぐり厩祈祷を行った。また博労衆(牛馬の仲買人)は蒼前神に御神酒を供えてから馬の売買を行ったされる。 馬頭観音(Hayagrīva)の他にも、同じく馬の守護神である駒形神と同一視される場合があり、駒形神社を「蒼前様」と呼ぶ事がある。またおしら様と同様に養蚕の神として信仰されることもある。
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