ソカリス

エジプトにおいて死や冥界と関連する神の一人でハヤブサの神。「ソカル」とも、また「セケル(skr)」とも呼ばれる。通常の人間の姿か、或いは隼の頭を持った男性の姿で描かれる。頭上には牡牛の角の上にアテフ冠をつけている。葬祭の神でありまた地下世界(ケトニアン)の神ともされる。このために冥界神オシリス(Osiris)と同一視されることも多い。ソカリス(Sekar, Sokar)は死者の保護する役割を担っており、特に死んだ王に清めをする「開口」の儀式を行って、再び五感が働くようにしてくれるという。古い神であるため親が誰なのかなどの素性ははっきりせず、本来伴侶もいなかったが、後にソカレトというソカリス(Sekar, Sokar)の女性形を伴侶とするようになった。また新王国以降になるとオシリス(Osiris)の妹ネフティス(Nephthys)が妻とされるようになった。 ソカリス(Sekar, Sokar)の信仰の中心はメンフィスのネクロポリス(墓地)であるロ=セタウなので、「ロ=セタウの住人」と呼ばれることもある。このためメンフィスの名工の神であるプター(Ptah)と同一視されることもあった。地下世界にあるソカリス(Sekar, Sokar)の領域ではネヘブカウ(Nehebukau)が待ち構えており、罪を宣告された人の魂を貪り食っている。そこは砂漠のような不毛の土地で洞窟があるという。

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