シヴァ

ヒンドゥー教、インド神話における主神格のひとつ。名前は「めでたい」、「吉祥」などを意味する。「リグ・ヴェーダ」に単数、ときに複数で現れるルドラ(Rudra)神が、民間信仰と混合し、ヒンドゥー教の最高神に発展したものとみられる。ヴィシュヌ(Visnu)、ブラフマー(Brahma, Brahmā)と共に三大主神格を構成する神として知られている。神話ではヒマラヤ山中に住んで苦行している。4面3眼で頭に三日月をいただき、頭上に天から降下したガンジス川を受け、白い雄牛に乗る。獣の主として象皮をまとい、大蛇を帯とし、槍、弓、三叉の矛、斧を武器とする。彼はダクシャ(Daksha)が神々を招いて祭祀を催したとき、自分だけ招かれないことを怒り、祭式の庭に乗り込んでこれを破壊し、鹿となって逃亡する「祭式」を弓を手にして追跡し神々を畏怖させた。さらにシヴァ(Siva, Shiva, Śiva)はヒマラヤ山脈のカイラーサ山で苦行していたとき、愛の神カーマ(Kāma)が自分を誘惑しようとしたので、怒ってその第3の目より火を発してカーマ(Kāma)を焼き殺した。このように怒りやすい反面、神々を請いを入れ、天空地の3カ所に金銀鉄の城を築いて神々を苦しめていた悪魔を退治して安堵させ、また乳海攪拌のおりに現れた猛毒カーラクータを恐れる神々のために進んでそれを飲み干し、その結果彼はのどを焼かれのどが青くなり、「ニーラカンタ(Nīlakaṇtha="青いのどを有する者")」の異名をとるに至った。他にも「ナタラージャ(Naṭarāja="舞踏の王")」、「マハーカーラ(Mahākāla)(Mahākāla="偉大な時間"ないし"偉大な黒")」、「トリヤンバカン(Tryambakam="三つ目の")」といった多くの別名がある。仏教に取り入られ、大自在天(Maheśvara)に帰化する。 また日本では「湿婆」と漢訳する。

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