七仏薬師

台密において修じられた山門四箇大法の一つ、「七仏薬師法(しちぶつやくしほう)」において、薬師如来(Bhaiṣajyaguru)の分身・異名とも別の仏尊ともされる、薬師如来(Bhaiṣajyaguru)自体を含む七体の本尊のこと。チベット仏教では「メンラ・チェードゥン(sMan bla mched bdun, Menla ché dün)」("メンラ=薬師の七兄弟"の意)と呼ばれる。「七仏導師(しちぶつどうし)」、「薬師七佛(やくししちぶつ)」とも呼ばれる。また単に「七仏(しちぶつ)」と呼ばれる場合もある(多くは過去七佛のこと)。「薬師琉璃光如来本願功徳経」(T0450)を本拠とし、また「薬師琉璃光七仏本願功徳経」(T0451)には各尊の本願が、「薬師琉璃光王七仏本願功徳経念誦儀軌」(T0925)には尊容が説かれる。息災、増益、安産などを祈念するもので、二仏は八大願、続く四仏は四大願、最後の薬師瑠璃光如来が十二大願の合わせて四十四の大願を立てたという。また「仏説北斗七星延命経」(T1307)においては七星と七仏薬師を対応させ、本師を釈迦牟尼仏とする(尊名に相違が見られる)。この釈迦牟尼仏を加えた八尊を「薬師八仏(やくしはちぶつ)」と呼ぶ場合もある。

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